
ICL(眼内コンタクトレンズ)は、眼の中に小さなレンズを挿入して視力を矯正する手術です。レーシックと並ぶ視力矯正の選択肢として注目を集めていますが、外科手術である以上、リスクやデメリットも存在します。
この記事では、ICL手術で後悔しやすいポイントと具体的なリスク、そして後悔を避けるための対策について詳しく解説します。手術を検討中の方は、メリットだけでなくリスク面もしっかり把握したうえで判断してください。
ICL手術で後悔する人に多い理由
ICL手術を受けた後に「やめておけばよかった」と感じる方には、いくつかの共通パターンがあります。
期待値が高すぎた
「手術すれば完璧に見える」と思い込んでいたケースは後悔につながりやすい傾向があります。ICL手術は視力を大幅に改善する効果がありますが、全員が裸眼で2.0になるわけではありません。術前の検査結果や眼の状態によって、到達できる視力には個人差があります。
術後の見え方に違和感がある
手術直後は光がにじんで見える「ハロー」や、まぶしく感じる「グレア」といった症状が出ることがあります。多くの場合は数週間から数ヶ月で改善しますが、夜間の運転時に気になるという声は一定数あります。
費用に対する不満
ICL手術は自由診療のため、両眼で40万〜70万円程度の費用がかかります。保険適用外であることを事前に理解していないと、「高すぎた」と感じて後悔につながることがあります。
ICL手術の具体的なリスクと合併症
ICL手術にはどのようなリスクがあるのか、具体的に見ていきましょう。
ICLの合併症発生率は非常に低いとされていますが、外科手術である以上ゼロではありません。主なリスクを正しく理解しておくことが大切です。
眼圧上昇
手術後に眼圧が一時的に上昇することがあります。多くは点眼薬で対処できますが、放置すると視神経に影響を及ぼす可能性があるため、定期的な検診で確認することが重要です。
白内障のリスク
眼内にレンズを挿入するため、水晶体に影響を与えて白内障が進行するリスクがゼロではありません。ただし、現在主流のホールICL(穴あきタイプ)は房水の流れを妨げにくい設計になっており、旧型レンズと比べて白内障リスクは大幅に低減されています。
角膜内皮細胞の減少
角膜内皮細胞は一度減ると再生しない細胞です。ICL手術による影響は少ないとされていますが、長期間にわたるコンタクトレンズの使用歴がある方は、術前の角膜内皮細胞数が少なくなっている場合があります。
感染症
術後の感染症(眼内炎)は最も注意すべき合併症の一つです。発生頻度は非常にまれですが、術後1週間は医師の指示通りに点眼薬を使用し、目をこすらない・水が入らないようにするなどの対策が不可欠です。
ハロー・グレア
暗い場所で光の周囲ににじみやまぶしさを感じる現象です。瞳孔が大きい方ほど出やすい傾向があります。時間の経過とともに軽減されるケースが多いですが、完全になくならない方もいます。

ICL手術が向いていない人の特徴
以下に当てはまる方は、ICL手術を慎重に検討する必要があります。
- 前房深度が2.8mm未満の方
- 角膜内皮細胞数が基準値を下回る方
- 緑内障や白内障など眼疾患がある方
- 妊娠中・授乳中の方
- 屈折度数が安定していない方(特に20歳前後)
これらの条件は術前の適応検査で確認されます。検査の結果「不適応」と判断された場合は、無理に手術を受けないことが後悔を防ぐ最大のポイントです。
後悔しないためにやるべき5つのこと
1. 複数のクリニックで検査を受ける
1つのクリニックだけで判断せず、最低2〜3院で適応検査を受けることを強くおすすめします。クリニックによって使用するレンズの種類や手術方針が異なるため、セカンドオピニオンが有効です。
2. 術後のハロー・グレアについて確認する
瞳孔径が大きい方はハロー・グレアが出やすいため、適応検査の際に医師に確認してください。夜間に車を運転する機会が多い方は特に重要なポイントです。
3. 費用の総額を事前に把握する
手術費用だけでなく、適応検査料・術後の定期検診費用・追加の点眼薬代なども含めた総額を確認してください。クリニックによっては検査料や術後検診が手術費用に含まれている場合もあります。
4. 医師の実績を確認する
執刀医のICL手術の症例数や、ICLエキスパートインストラクターなどの資格の有無を確認することも重要です。実績が豊富な医師ほど、合併症への対応力も高い傾向があります。
5. 術後のケアを徹底する
手術の成功は術後のケアにかかっているといっても過言ではありません。処方された点眼薬は指示通りに使用し、定期検診は必ず受けてください。
ICL手術のメリットも正しく理解する
リスクばかりに注目すると判断が偏ってしまいます。ICL手術には以下のようなメリットもあります。
- 角膜を削らないため、万が一の場合はレンズを取り出して元に戻せる
- 強度近視(-6D以上)にも対応できる
- レーシックと比べてドライアイになりにくい
- 見え方の質(コントラスト感度)が高い
- 紫外線カット機能がレンズに搭載されている
これらのメリットとリスクを天秤にかけたうえで、自分にとって最適な選択肢かどうかを判断することが大切です。

よくある質問
ICL手術で失明することはありますか?
ICL手術で失明に至った報告は、世界的に見ても極めてまれです。ただし、術後の感染症を放置した場合など、重篤な状態に至る可能性はゼロではありません。術後に強い痛みや急激な視力低下を感じた場合は、すぐに手術を受けたクリニックに連絡してください。
ICLレンズは一生使えますか?
ICLレンズ自体は生体適合性の高い素材(コラマー)でできており、基本的に交換の必要はありません。ただし、加齢による老眼や白内障の進行が起きた場合は、レンズの入れ替えや追加処置が必要になることがあります。
ICL手術後にコンタクトレンズは使えますか?
必要に応じて、ICL術後にコンタクトレンズを使用することは可能です。ただし、眼科医の許可が必要です。
まとめ
ICL手術は高い視力回復効果が期待できる手術ですが、リスクやデメリットも存在します。後悔しないためには、リスクを正しく理解し、信頼できるクリニックで十分な検査を受けることが重要です。
この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。ICL手術を検討する際は、必ず眼科専門医に相談してください。
複数のクリニックで検査を受け、医師としっかり相談したうえで、自分に合った選択をしてください。
参考:先進会眼科「ICLはおすすめしない・やめた方がいいと言われる理由」

